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執筆者の写真Kokoro

『Le vent de hope-颚が届ける明日ぞの詩-』Ange Vierge if episode finale“Miumi”第1ç« 

曎新日4月9日


著Kokoro

䞻ずなる蚭定原䜜、蚭定出兞

『TCG アンゞュ・ノィ゚ルゞュ』

原䜜 KADOKAWA 、富士芋曞房

販売 メディアファクトリヌ

『アニメ アンゞュ・ノィ゚ルゞュ』

KADOKAWA、SEGA 他

『アプリ アンゞュ・ノィ゚ルゞュ ガヌルズバトル』

セガゲヌムス、f4samurai

『アンゞュ・ノィ゚ルゞュ リンケヌゞ』 KADOKAWA

原䜜 駒尟 真子、 䜜画 吉岡 把

その他、挫画䜜品、ラむトノベル䜜品など、『アンゞュ・ノィ゚ルゞュ』関連の䜜品等の補䜜に関わられたすべおの方々

(前䜜『Aile de Lien』の出兞の蚘述の方が少々䞍完党だったので、こちらにお正しく远蚘させおいただいおおりたす。これでももしかするず䞍完党かもしれないのですが、どうかご容赊ください。)


初めに


ご興味を持っおいただいたすべおの皆様ぞ

Kokoroです。みなさん、お久しぶりなのです。

前䜜「Aile de Lien」の終わりから、もう2ヶ月が経ずうずしおいるのですね。長いような短いような、そんな気がするのですね。

さお、Twitterさんの方でも前䜜の前曞きでもお話ししおいたものなのですが、実は、この物語『Le vent de hope-颚が届ける明日ぞの詩-』(「明日ぞの詩」=ハヌモナむズ、ず読んでくださいです(アンゞュさんをご存じの方なら、きっずよくご存じのものなのですね)。このタむトルがどうやっお生たれたかに぀いおは、今芋られるかはわからないのですが、気になる方は私のTwitterさんにおタむムラむンを頑匵っお遡っおみおください、ずだけお話ししおおこうかな、ず思うのです)は、『Aile de Lien』の補䜜の前に䜜っおみようず思っおいた、「私の考えるアンゞュさんの最終章」になるのです。私の䞭では、前䜜を含めた5぀の䜜品、すなわち2018幎9月末珟圚たでに私が曞こうず思っおいたもの、それらはすべおこの䜜品に繋がる䜜品である、ずいうこずになっおいお、本来なら、各䞖界から䞀人ず぀遞んで物語を䜜り、それらを埌ほどこの䜜品に集玄しよう、ず思っおいたずころ、考えおいた段階(2018幎4月)には、すでに「護䞖界の少女線」が公匏から発衚されおおり、今埌のお話ず䌌たようなお話になっおしたったらどうしよう、ず思っおしたっお、䞀時期曞くこずを躊躇しおしたったのですが、みなさんから前䜜はずおも楜しんでいただいたずいうお蚀葉をたくさんいただいたこず、そしお、ぜひこのお話を読んでみたい、ずいうご意芋があったこずもあり、改めお、アプリさんの内容がわからないうちに先に曞かせおいただくこずにした、ずいう次第なのです。

その郜合䞊、お先にみなさんにお䌝えしおおきたいこずずしお、アプリさんがただ終わっおいないこずも考えお、

・原䜜やアプリさんの終わりかたに準拠するずは限らないこず

・もしかするず、今埌、アプリさんにお語られるお話に䌌たお話になっおしたうかもしれないこず

・アプリさんの内容がわからないうちになんずか終わらせお公開できるように頑匵る぀もりではあるのですが、もしもアプリさんの方が先行しお詳现な内容が明らかになり、今埌アプリさんにお語られるお話ず䌌たような内容になっおしたっお、私がそれ以䞊曞くこずができないず刀断した堎合、途䞭であっおも曞くこずを䞭断する可胜性、あるいはペヌゞからの削陀なども、公開先である「Azur Valkyrie」様のリヌダヌさんに私からお願いする可胜性があるこず

ずいったこずをご了承の䞊、お楜しみいただければず思っおいるのです。


たた、ずりあえず今回はプロロヌグだけのずおも短い内容で、本線は次の機䌚ずいうこずになるのですが、今埌読んでいただく䞊で、「Aile de Lien」ずもリンクした䜜品であるため、前䜜で出おきたキャラクタヌさんや、そちらで語られた蚭定が出おくるずきがあるのです。そのため、前䜜をご芧になっおいない方は、前䜜を先に読んでいただいお、それらも含めお楜しんでいただければ幞いなのです。

では、長いお話はここたでにしお、はじたりはじたり、なのです♪


前曞き

今回のお話は、芖点はずりあえず矎海ちゃんなのですが、あくたでも私の想像した「if」の䞖界であり、アンゞュさん本線ずは実際のずころ、かなり違うであろうお話になっおいたすです。オリゞナルキャラクタヌさんのお名前もあるのですが、実際にはいらっしゃるかもしれない方ずはたったく関係がないので、軜いお気持ちで読んでいただければ、ず思いたすです。




Prologue


青蘭孊園に蚪れた、䜕床目かの桜の咲く季節。


『卒業生、入堎』

そのアナりンスず共に、今幎床の卒業生たちが、呚囲の拍手に迎えられお、ぞろぞろず講堂に入堎しおくる。

孊園長の挚拶、来賓の挚拶が枈んだ埌、

『卒業蚌曞授䞎、卒業生代衚代理、「理深き黒魔女」゜フィヌナ』


呌ばれた゜フィヌナが垭から立ち䞊がり、壇䞊ぞず䞊がる。孊園長から卒業蚌曞を手枡され、深くお蟞儀をしお降壇した埌、


『圚校生送蟞、圚校生代衚、蒌月 玗倜』


アナりンスの埌、今床は圚校生の垭から立ち䞊がった玗倜が、壇䞊のマむクの前に立぀。


「冬の寒さも和らぎ、春の蚪れを感じるこずのできる季節ずなりたした。

この日、この青蘭孊園を旅立たれる先茩方、ご卒業、本圓におめでずうございたす。

私たち圚校生は、先茩方から、時に優しく、時に厳しくご教授をいただき、共に笑い、共に悩みながら、充実した孊園生掻を送らせおいただきたした。目を閉じれば、その日々が今でも蘇っおきたす。」


玗倜はそこたで蚀っお、瞳に涙を浮かべながら、送蟞の曞かれた原皿を閉じる。

私には、蚀いたいこず 蚀わなくおはならないこずがある。

それは、原皿には曞かれおいない。

それを蚀うのは蟛いけれど。

でも蚀わなくおは。

玗倜の口が、震えながら蚀葉を玡ぐ。


「日向 矎海前生埒䌚長、及び、颚枡 倧河前颚玀委員長

あのお二人がこの堎にいないこず、それは、先茩方だけでなく、私たちの心にも、ずおも受け入れがたいこずです」


蚀いながら、玗倜は壇䞊から卒業生の座る垭の䞀角を芋぀める。

そこにあるのは、二぀ならんだ空垭。

䞀぀は、日向 矎海の垭。

䞀぀は、颚枡 倧河の垭。

誰よりも匷く、誰よりも優しい先茩二人。

い぀も二人で䞊んでいお。

笑顔を芋せおくれお。

い぀だっお前向きで。

劬けおしたうくらい仲睊たじくお。

そんな、プログレスずαドラむバヌの垣根を越えた、理想の二人。

だからこそ、出垭番号がたったく違うにも関わらず、準備の段階でこの二人の垭は隣同士にした。それに文句をいう人は、先生方を含めお誰もいなかった。


だが、今、その二人はいない。


今、どこにいるのだろう。

䜕をしおいるのだろう。

そもそも、生きおいるのか、この䞖にもういないのか。

それは、圌ら以倖誰も知らない。

講堂に暗い雰囲気が挂いはじめる。

みんな、わかっおいるんだ。

この孊園にずっお、あの二人がどれだけ倧事な存圚だったか。

玗倜は䞀床、涙を浮かべた目を閉じる。

圌らず過ごした日々、それを心に浮かべながら



第1章「平和な今ず暗い倢」


黒の䞭に立っおいた。

芋枡しおも芋枡しおも、呚りに芋えるのは挆黒の闇。


()


声が聞こえた。

聞き芚えのある私ず同じ声。


(ごめんなさい ごめんなさい)


目の前にいるのは、私。

目の前の私は、目から぀うっ、ず頬に向かっお涙を䌝わせお呟く。


(私がいたから だからこの䞖界はだから)


目の前の私は、䜕を蚀っおいるのだろう。

私がいたから

䞖界がどうしたの

右手にぶら䞋げた鐡の现剣が、目の前の私の手から滑り萜ちる。


(倱った可胜性は、もう戻らない)


頬を䌝っおいた涙が、ぜたりず地面ぞず萜ちお、同時に、同じく地面に萜ちた鐡の现剣が、激しい音を立おお足元を転がる。

その柄は、圌女の右手の色ず同じ、どす黒い赀に染たっおいた


「 っ」

がばっ、ずベッドから起き䞊がる私。

「 倢 」

嫌な倢を芋たような気がした。

目の前に私がいお、私が泣いおいる倢。

 ほんず、䜕だったんだろう 。

そうしおいるうちに、お郚屋のドアがトントン叩かれお、来客を告げた。

「おはよう、矎海。僕だけど。」

「 え」

間違いない。颚枡 倧河(かざわたり たいが)君。私のαドラむバヌで、倧切なパヌトナヌで、私の倧切な人。

「あ、もう起きおたんだね。倧䞈倫もしかしお、䜓調ずか悪い」

「う、ううん元気だよ でも、なんでキミが私のお郚屋の前に 」

「いや、朝教宀に来た時にいなかったから。先生に聞いおも、䌑むっおいう連絡も来おないっおいうし、心配だったから、蚱可をもらっお様子を芋に来たんだけど。」

「 ふぇ 」

傍らにある目芚たし時蚈に目をやった瞬間

「 あヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ」

目を疑った。

目芚たしの針は思いっきり遅刻確定の時間になっおいる。急速に頭が冷えおきた。 そういえば、昚日目芚たしをかける前にお垃団にくるたっちゃったんだった 

 仕方ない。

「 ごほっ、ごほっ。あヌ ごめん、やっぱり䜓調悪いかもヌ。タマちゃん先生にはそう蚀っおおいおほしいなヌ なんお。」

「はぁ そんなこずだず思ったから、あたしも぀いおきおあげたわよ、矎海。」

「 え」

 ゜フィヌナちゃん 倧河君だけじゃないの 

「たったく あんたのこずだから、心配性で人の良すぎる倧河なら適圓に蚀っおおけば過剰に心配しおお倧事にっお蚀っお垰っおくれるず思ったのだろうけれど、そうはいかないわよ。早く着替えお出おきなさい。」

「えっず 䌚長暩限ずか 」

「生埒䌚長が遅刻した挙げ句にずる䌑みしおいいはずないでしょういいから早く出おきなさい」

うぅ やっぱり駄目かぁ 

そんなこずを思っおいるず、

「矎海、䞀緒に行こう。その 今だったら、通孊路にもそんなに人いないだろうし。」

倧河君の蚀葉の埌、゜フィヌナちゃんが付け加えるように蚀った。

「ほら、パヌトナヌを埅たせるものじゃないわ。蚱可をもらった、なんお蚀っおいたけど、颚玀委員長ずはいえ、女子寮に男子がおいそれず来られないこずは知っおいるでしょ圌、ここに来る蚱可をもらえるたで結構粘っおいたのよあたしが通りかかっお䞀緒に行くからっお蚀っおようやく蚱可がもらえたんだから。お邪魔虫はさっさず消えおあげるから、倧河ず䞀緒に早くいらっしゃい。先生には先に行っお今から来るっお蚀っおおいおあげるから。」

 ずる䌑みするための口実はこれで打ち止めだね。お寝坊しちゃっただけずはいえ、゜フィヌナちゃんが䞀緒に来おる時点で、その遞択肢はもはやなくなっおいる。それに、゜フィヌナちゃんの蚀うこずももっずもだ。倧河君は私を心配しおくれお、無理を蚀っお来おくれたんだ。圌がそんな優しい男の子だっお、入孊以来ずっず䞀緒に過ごした私は知っおいる。 えぞぞ、嬉しいなぁ。

 だったら、これ以䞊お垃団の䞊でだだをこねるわけにはいかないよね。

「二人ずもごめんね、すぐ甚意するから埅っおおヌ」

私はお垃団から飛び出しお、身支床を敎え始める。

今日も、お空は綺麗な青い色だった。


そんなこんなでお昌。

「 倉な倢を芋た」

「 うん、泣いおる私が出おくるの。すごく悲しそうにしおるの。」

孊食で、目の前のナポリタンに入っおいるピヌマンをひず぀ず぀右手のフォヌクでい぀ものようにお皿の端に远いやりながら、私は朝の倢のこずに぀いお倧河君に話す。

 実は、授業䞭にも少しだけお話はしおいた。倧河君が私を心配しお、思念の䌚話でお話を振っおくれたのだ。思っただけでお話ができるっお、こういうずき本圓に䟿利だ。 たたに次のデヌトのこずずかのお話をしお、授業䞭だよ、っお叱られたりしちゃうけれど。でも、なんだかんだでお話を続けさせおくれる倧河君は、やっぱり優しいず思う。

「うヌん、どうなんだろうね 疲れおるだけずかならいいんだけど 。やっぱり、プログレスの姿をした、りロボロスを率いるものの出珟が頻発しおるのが関係しおるのかな 。」

プログレスの姿をした、りロボロスを率いるもの。

以前、レミ゚ルちゃんの姿をした䜕かの出珟を機に、䜕床も報告が䞊がっおいるもの。

圌らが䜕者なのかは、詳しくはわからない。

わかっおいるこずは、青蘭孊園に通うプログレスの姿をしおいるこずず、たくさんのりロボロスを䜿圹しおいるずいうこずだけ。

出珟の床になんずか撃退しおはいるけれど。

でも、圌女たちは匷い。

以前、私たちがりロボロスの意識に乗っ取られおしたったずき、アルドラを通しお取り蟌たれたプログレスの倚くが、そのプログレスが元々持っおいた力を遥かに䞊回る力を埗おいたこずがわかっおいる。だから、今のずころ孊園党䜓の芋解ずしおは、い぀か私が倧河君ず海に行った時に遭遇した時のような、取り蟌んだものを転写し、ほが同じ力を持぀ものを造り䞊げる個䜓によるものではないか、ずいうこずになっおいる。 

ただ、この理屈では、蚘憶や力をトレヌスした可胜性や、どうやっおあれだけの゚クシヌドに䌌た力を行䜿する力を埗おいるのかずいうこずはずもかく、取り蟌たれおいないはずのプログレスの姿を持぀個䜓たで確認されおいるこずや、そもそも、その個䜓がどうしお、りロボロスに䜿圹される偎ではなく、りロボロスを䜿圹する偎に回っおいるのか、ずいうこずたでは、たったくわかっおいないのが珟状だった。

倧河君が口を開く。

「しかし、矎海が泣いおる倢か 。正盎、毎日笑顔しか芋おない僕からするず、にわかには信じがたいけど 。」

うヌん、ず、腕を組んで考える倧河君。それだけで、圌が私のこずをどれだけ考えおくれおいるか、それがしっかりず、声を通さずずも䌝わっおくる。

(「やっぱり、疲れおるんだろうな 䜕かあればい぀も出突っ匵りだし、生埒䌚の仕事もあるし 。 無理しやすい分、僕がしっかり芋おおあげないずな。」」)

 えぞぞ。

こんな男の子がアルドラで圌氏なんお、私っおやっぱり幞せ者だなぁ。みんなにちょっずだけ申し蚳ないけれど、ここだけは絶察みんなには譲れないもんね。

考えおいるこずの共有、これが、私ず倧河君が特別な関係であるこずの蚌。

恋人関係になっただけでなく、可胜性解攟ず盞互同調(クロスリンク)の成功ずいうプログレスずアルドラのふた぀の可胜性の境地ぞず至ったこずで、私たちの絆の匷さずいうのは、きっず誰にも負けないものになった。

 確かに、私たちの呚りにも䌌たような感じになっおいる子達はいる。それを考えるず蚀い過ぎかもしれないけれど でも、私が倧河君を思う気持ちは本物で、圌が私を思う気持ちも本物だ。その事実は芆らないし、芆す気もない。

 そもそも圓事者なのだから、このくらい蚀い切ったずころで問題はないのかな、ず思う。だっお、このくらい蚀い切らないず、倧河君が誰かに取られおしたうかもしれないから。匷くお優しいし、かっこいいし、最高のアルドラだし それだけで、圌を狙っおいる女の子たちはたくさんいる。もちろん、倧河君が浮気なんおするはずないし、呚りのみんなも私から圌を取ったりしないず信じおるけど。

だからこそ、私は圌の特別でありたい。蚀っおしたえば、ずっず圌の偎にいたい、圌を独り占めしたいのだ。

 もちろん、倧河君の偎にい぀もいられるわけではないのはわかっおいる。生埒䌚ず颚玀委員ずいう異なる組織に所属しおいるだけでなく、りロボロスずの戊いに参加できるアルドラの党員が党員、プログレスの最高もしくはそれに準ずるほどのポテンシャルを発揮させられるわけではない珟状、倧河君のような存圚は圓然貎重であるからだった。

だから、倧河君は私以倖に、他のプログレスずも同時にリンクする機䌚が非垞に倚く、私もそのこずはわかっおいるが、たたに通信で圌にちょっかいを出そうずする子もいる

のが、ちょっず嫌だったりする。

 でも、そんな時、圌はい぀もその子たちにこう蚀う。


「僕には、倧事な人がいるから」


そしおその埌、他のみんなには聞こえない、私たちだけの䌚話である思念の䌚話で、私にこう蚀っおくれるのだ。


「䞍安にさせちゃったね、ごめんね。

でも、僕の隣は矎海しかいない。君じゃなきゃ嫌だから」


 い぀も思うのだが、圌はどれだけ私に奜きず蚀わせれば気がすむのだろう。

 いや、違う。

それは、それだけ私ず倧河君が深く繋がっおいる蚌拠。

だから、私は信じられる。

圌は、私の偎にいお。

これたでも、これからも、ずっずずっず䞀緒だず


そう思っおいるず。

(「 あれ、倧河君、なんか悶えおる 」)

目の前の倧河君が、赀い顔でぷるぷる震えおいる。

(「 矎海、その思考はたずい 僕の粟神衛生䞊ほんずにたずいよ 。かわいすぎお思わず人目も憚らずに叫びたくなっちゃったじゃないか  明日䌑みだし、僕も矎海も暇なはず 。二人でどこか出掛けるか聞いおみようかな 。気晎らしになればいいな 。」)

倧河君の思考もこちらに完党に筒抜けになっおいるのに、こっちが聞いたら聞いたでこれたた嬉しくお悶えたくなるようなこずを蚀っおいる。

 蚀っおくれおもいいのに。

みんなわかっおくれおるこずだけど、぀いでにちょっず恥ずかしいこずだけど。

 でも、キミの特別でありたい私にずっおは、倧きな声で叫んでくれたら、これほど嬉しいこずはないのにな。

「 よし。」

ようやく萜ち着いたらしい倧河君が、私に向き盎る。

「矎海、明日っお 。」

「 もう、キミ、わかっおお聞こうずしおるな」

先を読んで私が蚀うず、倧河君は「 あはは、それもそうか 。」ず頭を掻きながら蚀う。私はそれを芋お答えた。


「うん、二人でお出かけしたいな 。い぀かの海はいろいろあっおそれほど長くいられな

かったし。今回は絶察䞀日キミを独り占めするんだからね」

私はにこにこ笑顔で、苊手なピヌマンがきれいになくなったナポリタンをお口に持っおいくのだった。


その日の倜。

「 えぞぞ。」

寮のお郚屋に戻った私は、頬を緩めおお昌の䌚話を反芻しおいた。

明日は倧河君ずお出かけ。蚀っおしたえばデヌトだ。

お寝坊しないように早くお垃団に入らなくおはず思うのだが 。

「 にゃ、楜しみで眠れないよ」

ベッドの䞊をごろごろ転がる私。そんな䞭で、私は倧河君ずの出䌚いから今たでを、頭の䞭に思い描いおいた


圌にはじめお出䌚ったのは、青蘭孊園に来たばかりの頃。

寝坊しお入孊匏に遅れそうで、頑匵っお走ろうずしおいた私の耳に、

(「 たずいな 。たさかこんな日に寝坊するなんお 。千尋に起こしおもらっおたのがこんなずころで仇になっちゃったよ 。ここから走っお間に合うか 」)

 っおいう声が聎こえおきたんだった。

ふず芋るず、女子寮のお隣にある男子寮から䞀人の男の子が出おきおたあ、それが倧河君だったわけなんだけれど。それで、私はいきなり声をかけたのだ。

(「おはようええず、もしかしお新入生のαドラむバヌの人ちょうどよかったキミも遅刻しそうなんだよね私に任せおそんでもっお、そのために私に力を貞しお」)


圌ずはじめおリンクしたのは、その時だった。

 今思うず、本圓に無謀なこずをしたず思う。だっお、はじめお䌚った人にいきなりアルドラでしょ、私ずリンクしお、なんお頌んで、なおか぀私はその時、お䞖蟞にも゚クシヌドをうたく䜿えるずは蚀えなかったのだから。 リンクによっお、プログレスの力は飛躍的に跳ね䞊がるこずは知っおいたけれど、䜕も知らなかった私がそれをきちんず制埡できるかできないかは別問題なわけで。

 結論から蚀うず、私たちは思いっきり䞭庭の䞊朚に墜萜しお、私は入孊匏に間に合ったものの、倧河君は孊園に着いた途端にお医者さんに行くこずになっおしたったのだった。圌ずのリンクによっお力が溢れだすのを感じおすごくテンションが䞊がっおしたっお、着地のこずもアルドラの負担のこずも考えないでお空を飛んじゃったんだよね 。


(「すごいすごいアルドラずのリンクっおこんなにすごいんだ

これならどこたでも速く飛べる、もう遅刻しなくお枈むよやったぁ♪」)

(「ちょ、ちょっず埅っお、速すぎる、速すぎるっおね、ねえ君、ちゃんずふわっず降りられるんだよねそうなんだよね」)

(「えっ 降りる あっ 。忘れおた 。」)

(「えぇど、どうすりゃ っお、どわぁぁぁぁぁっ」)

(「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ」)


 私ず倧河君はそのたた䞊朚に突っ蟌んで、αフィヌルドに守られおいた私は制服が汚れるくらいで枈んだんだけれど、倧河君は、倧きな怪我こそなかったけれど、葉っぱや朚の枝による擊り傷や切り傷がたくさんで、そしお朚の幹に思いっきりぶ぀かった私が本来受けるはずだったダメヌゞもフィヌドバックずしお受けおしたっお、私が䜓を起こしたずきには声も出せずに悶絶しおいた。 その時は、倧河君のアルドラずしおの力 埌に最高のアルドラず呌ばれる、はじめおのリンクであっおも高いリンク数倀を叩き出すむレギュラヌケヌスであるこずも、アルドラがプログレスのダメヌゞを受けるこずも知らなかったずはいえ、倚分、あのずきほどいろんな人に怒られたこずっお今たでなかったなぁず思う 。

 でも、その時も倧河君は優しかった。

次の日、お医者さんにお芋舞いに行った私に、圌はこんなこずを蚀っおくれたんだ。


(「ありがずう。僕は倧䞈倫だよ。それよりも、君が怪我がなくお本圓によかった。 僕もごめんね、僕のアルドラずしおの特性のこず、ちゃんず話しおたら、こんなこずにならなかったかもしれないのに 。」)


こんなこずになったのは私のせいなのに。

すごく痛かったはずなのに。

それでも、圌は倉わらない笑顔を私に向けおくれた。

私たちは、その時からお友達になった。

その時は、ただお友達以䞊の奜意はなかったず思うけれど、ブルヌミングバトル関連

の授業で自分のαドラむバヌになっおくれる人を探すように、ず蚀われた時、私は迷いなく、䞀緒のクラスになった倧河君にお願いをしお、圌は快く匕き受けおくれた。その日から、私ず倧河君は、ただのお友達から背䞭を預けるパヌトナヌになった。その埌倧河君が颚玀委員 圓時は第二颚玀委員っお呌ばれおいたけれど ずにかく、颚玀委員ずしお掻動するこずになったこずで、そっちのお手䌝いをする機䌚もあっお、䞀緒にいる時間も増えた。

その䞭で、䞀緒に特蚓をしたり、孊園生掻をしたり、ファントム事件やブルヌフォヌル䜜戊ずいった様々な事件を解決するために䞀緒に戊ううちに、私はたくさんの倧河君を芋た。

圌は、私が䜕か倱敗しおも、今床はできる、䞀緒に頑匵ろうず蚀っおくれた。

圌は、「誰かのためになるなら」ず、率先しおいろんな仕事に取り組んで

いた。

圌は、敵も味方も、誰䞀人ずしお芋捚おるこずはなかった。ファントムずなっおしたったプログレスたちや、ブルヌフォヌル䜜戊における防衛戊で戊い、自分達を傷぀けた緑の䞖界のプログレスやアルドラたちのこずも。

そしお圌は、い぀も私を信じおくれた。

どんなに絶望的な状況でも決しお諊めず、リンクで繋がっおいる私が勝぀こずを信じお、私に力を貞しおくれた。

圌の呚りにはい぀しか人が集たり、私たちが戊うべき共通の敵ずしお、䞖界氎晶を砎壊するために動くものたちりロボロスが登堎した埌も、圓初、いろんな意味でばらばらだったずも蚀える青蘭島ず青蘭孊園は、い぀の間にかその床重なる䟵略にも察抗できるだけの戊力を持぀堅固な孊園芁塞島ずなった。その理由のひず぀に圌の頑匵りがあったのだずいうのは、おそらく孊園の䞭で文句を蚀う人は今ずなっおは䞀人もいないだろう。


 そんな圌に、私は惹かれおいった。


告癜は私からだった。

緑の䞖界の䟵攻を退けた埌のあの日忘れられない、倧切な日だ。

その時、圌に向かっお思いを吐き出した私に、圌は自分も同じように、私のこずをずっず芋おいおくれたこずを話しおくれた。


(「僕で、本圓にいいのかな 」)

(「キミじゃなきゃ、嫌なんだよ 。それずも、キミは私じゃ、だめ 」)

(「ううん、ごめん、䜙蚈なこず蚀ったね 僕も、矎海じゃなきゃ、嫌かな。」)

(「えぞぞ、私たち、䌌た者同士だね。」)

(「うん、本圓にね 。」)


 今になっお思うず、だいぶ恥ずかしい䌚話をしおいたず思うけれど。

でも、埌悔はしおいない。

だっお、それがあったから、今があるこずを知っおいるから。

その埌、䞀気に瞮たった距離によっお、私ず倧河君は可胜性解攟を果たし、その埌のファントム事件でも、圌の存圚は私にずっおすごく倧きな力になった。

あの時、倧河君は遥ちゃんたち第二颚玀委員のみんなず䞀緒に藀平教頭先生のずころに向かっおいたから、私の近くにはいなかった寂しさはあったけれど。私だけじゃなくお、同時に他の女の子ずもリンクしおたこずになるから、ちょっず嫉劬のような気持ちも持ったけれど。

でも、倧河君が近くにいなくおも、リンクはきちんず繋がっおいお。

圌から力が流れ蟌んでくる床に、私の気持ちは萜ち着いお。

圌の垰っおくる堎所を守りたい、そう思えお。

そしお圌の垰っおくる堎所が、今、私の偎になっおいるず感じるこずができお、それが本圓に嬉しくお。

垰っおきた倧河君の胞に私が飛び蟌んだ時、圌ず䞀緒にいた遥ちゃんたちは少し面食らっおはいたけれど、私は空気を読むこずすらしたくなかった。倧河君も同じ気持ちだったみたいで、私たちは呚りの芖線なんお気にしないで、自分達の気がすむたで抱き合っおいたのだった


私は、むくっ、ずベッドから起き䞊がり、おもむろに傍らのクロヌれットを持りはじめる。

明日、䜕を着おいこうかな 。

い぀も私のお掋服を芋お、䌌合うよ、かわいいよ、っお蚀っおくれる圌だけれど。

でも、圌にたくさん芋おほしくお、かわいいっお蚀っおほしくお。

そう思いながらお掋服を遞ぶ楜しさず、感想を蚀っおもらえた時のうれしさを、私は知っおいる。

だから、適圓にその堎にあったものを、ずいう遞び方をするわけにはいかない。ずいうよりも、したくない。

せっかくのデヌトなんだもん、しっかりおしゃれしお、かわいいっお蚀っおもらいたいもんね。

ああでもない、こうでもないずクロヌれットの䞭のお掋服ず栌闘しながら、その倜は

曎けおいったのだった




解説線 第6回


(第1回第5回は『Aile de Lien』各章におご確認くださいです)

お話の䞭の時系列や原䜜ずの盞違に぀いお

前䜜を含めた䞀連のお話は、アプリさんの方での「護䞖界の少女線」ず同じ時系列、あるいはその埌のお話にあたるかな、ずいったお話ではあるのですが、そちらずは内容はだいぶ違うこずになるず思うので(そもそも、Twitterさんなどでお話ししたこずがあるのですが、ストヌリヌが完結しおいないうちに曞いおいるので、今埌どうなるかはわからないのです )、きちんずしたお話を知りたいずいう方は、ぜひそちらの方におご確認くださいです。

䞀応、今回における原䜜ずの盞違を挙げさせおいただくず、

・ブルヌフォヌル䜜戊の埌あたりから、矎海ちゃんず倧河君の関係が進展に進展を重ねおいるこず(アプリさんでは、䞻人公(お名前はプレむダヌさん独自のお名前)ず矎海ちゃんの関係の進展はないに等しい)

・アプリさんのキャンペヌンストヌリヌ『矎海の䞀番長い倏』に準ずるずころ(海に行った時、りロボロスさんに取り蟌たれかけたこず)の描写はあるけれども、こちらではアプリさんにおける䞻人公にあたる倧河君ずの関係が進展しおいる郜合䞊、あたりアプリさんの蚭定や描写を深く掘り䞋げおいない

ずいった郚分があるのです。

たた、ブルヌフォヌル䜜戊やファントム事件に関しおも、具䜓的にい぀、どの順番で、ずいう蚭定はどうやらないようで(私が知らないだけかもしれないのですが)、そのためにだいぶ適圓に順番を決めおしたったずいうこずがあるので、きちんずした順番をご存じの方は、そのこずをご了承の䞊で、緩いお気持ちでご芧になっおくだされば幞いなのです。


第1章 終

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